耐震補強工事
平成7年7月の阪神・淡路大震災では、地震により6,434人の尊い命が奪われました。このうち地震による直接的な死者数は5,502人であり、さらにこの約9割の4,831人が住宅・建築物の倒壊等によるものでした。この教訓を踏まえて、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が制定されました。
これより、各自治体の耐震改修促進計画により、全国の住宅の耐震化率は約79%(H20年国土交通省調べ)千葉県の耐震化率は82%という事となりました。
地 域 | 総 数 | 旧耐震基準建築物 | 耐震率 | 調査元 |
全国 | 5,759万戸 | 1,463万戸 | 79% | H20 国土交通省 |
千葉県 | 270万戸 | 48万戸 | 82% | 〃 |
船橋市 | 13万5千戸 | 6万2千戸 | 83% | H19 船橋市 |
しかし依然、多数の旧耐震基準建築物が存在します。
その理由としては、工事費のコストや助成金の対象条件等の要素もあると考えられます。
弊社では、適切な施工と使用部材の選定により、ローコストな耐震工事を目指し、お客様の地震への備えを、より現実的にしていきたいと考えております。
耐震補強工事とは?
耐震補強とは、耐震性の不足している既存の建物を補強することです。壁の補強が一般的ですが、住宅の場合、他にも建物基礎の補強や柱・梁・土台・基礎といった躯体部分の接合部補強(金物補強)などがあります。また、耐震補強ではありませんが、屋根を軽くすることも地震対策として有効です。
実際の耐震工事
構造用合板
プリント合板仕上げ(壁倍率0.0kN/m)を解体後、構造用合板を設置することにより、壁倍率5.2kNn/mとなります。
耐震補強の一般的な工法の一つですが、天井と床を解体しなければならないので、工事が大掛かりとなります。
筋交い
化粧合板厚5.5mm未満(壁倍率0.0kN/m)を解体後、筋交い45×90/端部金物有を設置することにより、壁倍率が3.2kN/mとなります。
耐震補強の一般的な工法の一つですが、天井と床を解体しなければならないので、工事が大掛かりとなります。
ダイライト耐震壁
既存石膏ボード+クロス仕上げ(壁倍率1.2kN/m)を解体後、ダイライト耐震壁を設置することにより、壁倍率2.9~6.6kN/mとすることが出来ます。
ここ数年で普及している工法。天井や床の解体が殆どなくなり、付随工事が削減できます。ただし、材料は比較的高価です。
耐震ブレース
ラスボード+左官仕上げ+筋交い30×90/端部金物無(壁倍率1.9KN/m)に、あと付筋交い金物設置とステンレスブレースを設置し、壁倍率を5.1KN/mとしました。
比較的、以前からある工法ですが、最近では天井や床を解体せずに施工できる物が出回っています。
後付金物
あと施工柱頭金物:筋交い等にかかる圧縮力により、梁と柱が離れるのを防ぎます。
あと施工筋交い金物:既存筋交いまたは、新設筋交いに設置し引っ張り力に対応します。
耐震ブレース(外部)
開口部(壁倍率0.0KN/m)に、外部ブレース(アイワン工法)を設置することにより、壁倍率を2.3~4.1kN/mとすることが出来ます。
この工法は、採光を遮ることなく開口部にも設置出来ます。また、大掛かりな解体も必要ありません。外部から施工するので、屋内の工事が少なくて済みます。
屋根葺替え
瓦から、鋼板やコロニアル屋根等の軽い材料に換えることにより、必要耐力が低減されます。
家屋の上にある材料を軽くする事も、地震対策に有効となります。